皆さん、こんばんは。水野修矢です。
本日の日経平均株価は、寄り付きから下落基調で推移し、前日の午後に見られた反発は続きませんでした。
これは現在の市場において、投資家心理が明確に分かれ始めていることを示しています。
ではなぜこのような分化が起こっているのでしょうか?
その核心的な理由は、「政策への期待」と「市場の論理」との間に矛盾が生じていることにあります。
市場では一般的に、高市政権の発足後、拡張的な財政政策と緩和的な金融政策が打ち出されるとの見方が広がっています。
この政策の組み合わせは、本来であれば経済成長を刺激し、株式市場にとってプラス要因となるはずです。
しかし同時に、それは円のさらなる下落を招く可能性を意味します。
円安は輸出企業にとっては好材料ですが、一方で輸入コストを大きく押し上げ、とりわけ食品やエネルギー価格の上昇を通じて、インフレ圧力を高める結果にもつながります。
現在、日本のインフレ率はすでに2.7%に達しており、日本銀行が長期的に掲げている2%の目標を大きく上回っています。
つまり市場は一方で政府による景気刺激のための緩和政策を期待しつつ、他方で日本銀行がインフレ抑制のために利上げを余儀なくされるのではないかという懸念も抱いているのです。
このような政策スタンスの分裂した見方が広がる中で、もし日銀が実際に利上げに踏み切れば、円は一時的に上昇する可能性が高くなります。
そして円高が進めば、海外資金が株式市場から為替市場へとシフトし、日経平均に下押し圧力がかかることになります。
現在の状況は、まさに「政策による景気刺激」と「利上げリスク」の分岐点に市場が立たされている状態であり、投資家たちはその二つの論理の間で揺れ動きながら判断しているため、市場心理が分化しているのです。
さらに国内要因だけでなく外部環境も日経平均の動きに影響を与えています。
米国の半導体メーカーであるテキサス・インスツルメンツが、第4四半期の売上高と利益見通しを下方修正したことに加え、米中間の関税問題が依然として不透明なままであることが、市場に新たな不安をもたらしました。
その結果、フィラデルフィア半導体指数は2.36%下落し、日本の半導体関連銘柄にも売りが波及。
これが日経平均に追加の下押し圧力を与える要因となりました。
本日の相場全体を見渡すと、円安にもかかわらず株式市場は上昇せず、一日を通して売り優勢の展開となりました。
最終的に日経平均は666.18円安、下落率は1.5%となりました。
これは現在の市場が同じ論理のもとで一方向に動いていないことを示しています。
一部の資金は、政策緩和による景気刺激効果を見込んで買いに動いている一方で、別の資金は将来的な利上げリスクを先取りしてポジションを軽くする動きを見せています。
つまり市場の参加者たちはそれぞれ異なるシナリオを前提に行動しており、その結果として方向感の乏しい相場となっているのです。
とはいえ、円安と人工知能(AI)産業の発展は依然として市場を支える重要な要素であることに変わりはありません。
AIやデジタル経済は、日本株の中長期的な上昇を牽引する中心的な原動力であり、この上昇のロジックが崩れない限り、短期的な調整はあっても大局的な流れは維持されると考えられます。

日足で見ると、火曜日のローソク足は上ヒゲの長い陰線となりました。
私はその時点で「良いシグナルではない」と申し上げましたが、出来高が引き続き低迷している点からも同様のサインが読み取れます。
日経は史上高値を更新した一方で出来高は減少しており、強気で日経を買い上がる投資家が徐々に減っていることを示唆します。
高値圏では新規の買いが乏しく、むしろ弱気に傾く投資家が徐々に増えているということです。
この点は本日の日経の分足チャートでも確認できます。
下落局面では出来高が膨らみ、反発局面では出来高が細っており、明らかに売りが買いを上回っています。
総合的に見ると、日経の下落リスクはなお高いと判断されます。
したがって株の売買においては、ポジションを適切に抑え、リスク管理を徹底することが重要です。

株の取引に関しては、引き続きリスク回避の性質を持つ業種を主軸に据えるべきです。
たとえば、現在保有している医薬株は典型的なディフェンシブセクターであり、相場変動が大きい局面でも相対的な安定を保ちやすい銘柄です。
一方、もう一つの保有銘柄である6323 ローツェは、足元で調整局面に入っています。
今回の押しは、米国テクノロジー株、特にテキサス・インスツルメンツの業績見通しが市場予想を下回ったことの影響が波及し、国内半導体セクター全体が短期的に下押しされたことが主因です。
こうした状況は珍しいことではなく、セクターの牽引役が期待をやや下回る決算を出すと、セクター全体が感情的に反応しやすくなります。
まさに保有姿勢が試される局面と言えるでしょう。
短期の下落は、優良企業の長期的な価値を変えるものではありません。
チャート面では、週足で上昇トレンドラインにかなり接近しており、すなわちレジスタンスラインが近い水準にあります。
したがって、今は売却のタイミングではなく、サポート付近での買い増し機会を待つ局面だと考えます。
6323のファンダメンタルズを見ると、同社の経営全体はきわめて堅調です。
まず純利益率と1株当たり利益(EPS)はいずれも前年同期比で伸長しており、自己資本比率は着実に上昇、有利子負債は年々減少しています。
これにより資本構成は一段と健全化し、経営の安定性が明確に高まりました。
営業利益率やROEといった指標も高水準を維持し、理想的な基準を上回っています。
トレンドとして自己資本比率は長期にわたり理想水準(30%)を大きく上回って推移しており、企業のリスク耐性が強いことを示しています。
EPSは小幅な変動こそあるものの、総じて上昇基調を保っています。
総合的に見ると、現時点での6323の利益低下は主として為替要因に起因する構造的な調整であり、企業のファンダメンタルズの悪化を意味するものではありません。
長期的な視点では、収益の質、財務の安定性、そして成長ポテンシャルのいずれにおいても優れた水準を示しており、引き続き安心して保有できる良質な投資対象と言えます。
相場変動局面で最も重要なのは短期的な値動きにとらわれることではなく、企業のトレンド構造とファンダメンタルズの方向性を見極めることです。
事業の根幹が損なわれず上昇トレンドが維持されている限り、押し目はむしろ買い増しの好機となります。

テクニカル面では、直近の株価は調整が続いているものの、出来高が徐々に細っている点が重要なシグナルです。
これは売り圧力の後退、売り方のエネルギーの枯渇、すなわちベアのモメンタム低下を示唆します。
日足チャート上で赤で示した箇所のとおり、株価はサポートラインにきわめて接近しており、下値余地はすでに限定的です。
全体の上昇トレンドはなお健在で、トレンド構造は崩れていません。
前段の堅調なファンダメンタルズと合わせて判断すると、今回の下落はテクニカルな戻り売り(押し目)に相当し、上昇基調の中の休止局面です。
むしろ良いエントリー機会を与えてくれており、ここは買い増しのチャンスです。
未保有の方にとっても有利な初回の買い場と言えます。
目安としては、2,000円を下回る水準での買い増しを推奨します。
短期的なボラティリティに振り回される必要はありません。
トレンドが変化しておらず、企業の基礎が堅固である限り、売却すべき理由は見当たりません。
心を落ち着けて、腰を据えて保有を続けましょう。
今後の株式取引では、当方が保有する医薬・金属・小売・半導体セクターを組み合わせて、市場リスクのヘッジを図ります。
すでに日経平均の下落を見込んでいるため、日経が下げる局面では多くの銘柄が下落し、上昇している銘柄も毎日上がり続けるわけではありません。
したがって、日経下落局面でも相対的に強さを発揮できる銘柄を見つけ、リスクヘッジとして位置づける必要があります。
これだけでは分かりにくい方もいると思いますので、具体例でご説明します。

株式市場には33の業種があります。
本日のように日経平均が下落しても、相対的に強い動きを示す業種がいくつかあります。
ただし、本日上昇した業種があすも上がるとは限りません。
皆さん自身でも比較してみてください。
本日の上昇上位は鉱業、不動産業、石油・石炭製品でしたが、明日の引け後に見直すと、これら3業種の上昇率が縮小したり、むしろ下落している可能性もあります。
代わって、本日下落率が大きかった電気機器、情報・通信業、証券・商品先物が上位に来ることもあり得ます。
現在は日々、上昇する業種と下落する業種がローテーションしているのです。
では今後の取引はどうすべきか。
要は、日経が下げても相対的に上がりやすい業種を見つけ、その中から優良銘柄を選別してリスクヘッジに据えることです。
現時点で私が有望視しているのは、小売、医薬品、テクノロジー関連です。
まだ証券口座をお持ちでない方は、口座開設をおすすめします。
投資は特定の市場だけに縛られず、選択肢を広げていきましょう。
為替、株式、ファンド、金、暗号資産など、各市場にはそれぞれ存在意義があり、投資サイクルも市場ごとに異なります。
異なる市場には一定の連動性もあります。
同一市場内ではリスクヘッジまでしかできませんが、複数の市場を組み合わせれば、適切な資産配分が可能です。
私自身も現在、為替・株式・暗号資産など多様な商品でポートフォリオを組んでいます。
複数市場でのアセットアロケーションは、リスクを抑えるだけでなく収益の拡大にもつながります。
同時に、皆さんにお伝えしている投資スキルを複数の市場で実践でき、より効果的に学習内容を身につけることができます。

最近、メンバーの方から「金は買いタイミングでしょうか?」という質問をいただきました。
週末の講義でもお伝えしましたが、短期的には追いかけ買いはおすすめしません。
理由はシンプルで、今回の上昇スピードがあまりに速く、価格が妥当なレンジから明確に乖離し、バブルの兆しすら見られるからです。
実際、ここ数日は金価格が連続して下落しており、過熱相場の修正が進んでいると考えられます。
この数年、地政学的緊張と世界的なインフレ圧力が重なり、安全資産志向の資金が金市場へ継続的に流入し、価格は何度も史上高値を更新してきました。
私は先週の時点で注意喚起を行い、高値圏ではポジションを縮小するようお伝えしましたが、その助言に従って利益確定した方々の判断は、足元の推移を見る限り非常に賢明だったと思います。
現時点の水準には、再度の新規買いを正当化する魅力は乏しいとみています。
短期的には、なおもみ合い・調整が続く可能性があります。
中期的には、価格がサポートラインへと戻る、あるいは新たなリスクオフ需要が顕在化する局面でのみ、再び仕込みの好機が生まれるでしょう。
堅実な投資こそが、常に私たちの収益の中核的理念です。
メンバーからの質問にもう一つお答えします。
「昨日の日経は下ヒゲ陽線でした。買いシグナルではないのですか?それなのに、なぜ今日は下落したのですか?」
とても良い質問ですが、同時に一部の方が講座を十分に細かく見切れていないことも示しています。
私は講義で繰り返し強調しているとおり、同じローソク足の形でも、出現する“位置”によって意味はまったく異なります。
下ヒゲ陽線がボトム圏、しかもサポートライン付近で出た場合にこそ、参考価値が高く成功率も上がります。
下落を経て押し目買い資金が入り、買いの力が強まっている合図だからです。
一方、同じ形が高値圏に出た場合は要注意です。
多くの場合、それは買いではなく“警戒”のサインです。
上値の圧力が強まり、買いの勢いが弱く、売り方が主導権を取りつつあることを示します。
言い換えれば、高値圏での下ヒゲ陰線は、上昇トレンドが終盤に近づき、天井打ちからの反落リスクが高まっていることを意味します。
ではケースを一つ見てみましょう。

これは価格が継続的に上昇した後の局面です。
高値圏で下ヒゲ陽線が1本出現しているのが分かります(図の黄色マーク)
見た目には一見、買い方優勢に見えますが、実際にはこのような形が高値圏に現れた場合、多くは買いシグナルではなく、トレンド調整の前触れであることが少なくありません。
連騰ののち、市場では保有者の利食いが高値圏で段階的に出やすく、その結果上値の売り圧力が増します。
一方、ザラ場で買い支えが入ったため下ヒゲが残ったに過ぎず、買いの力が弱まり始めていることを示しています。
したがって、ローソク足が高値圏に出現した際は、上昇モメンタムの鈍化や短期的な調整入りの可能性を示すのが通例です。
実戦の観点では、ローソク足は“形”だけでなく“位置”が何より重要です。
同じ形でも、出現する局面が異なれば意味はまったく変わります。
加えて、その背後にある資金の流れ(売買のロジック)を理解してこそ、テクニカル分析を実戦で本当に使いこなせるようになります。
本日の日経の調整は、きわめて自然な値動きと言えます。
私はすでに月曜の講義で「10月末前後は高い確率で下落サイクルに入る」と明確にお伝えしていました。
これは突発事ではなく、トレンド進行上の必然的な帰結です。
ご興味のある方は、月曜夜の講義内容を振り返り、本日の推移と合わせてご確認いただければ、その背後のロジックを理解できるはずです。
では今夜の講義はここまでにします。
明日の夜は、引き続き「レジスタンスの見分け方」について解説していきます。
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抽選に積極的に参加していただければ、大賞を獲得するチャンスも十分にあります。