皆さん、こんばんは。水野修矢です。

先週、今後の授業計画をお伝えしましたが、本日からはその計画に沿って本格的な講義に入っていきます。

まず最初に、基礎的でありながらきわめて重要な三つの問いについて、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

すなわち、「投資とは何か」「投資の意義は何か」「どのようにすれば上手に投資できるのか」です。

これらの問いへの向き合い方は、人それぞれ異なります。

プロの投資家にとって投資は職業であり、主要な収入源でもあります。

一方、投資を始めたばかりの方にとっては、本業とは別に追加の収益を得るための手段という位置づけが多いです。

さらに、投資を貯蓄として捉える方もおり、こうした考え方は日本でも広く見られます。

日本では、多くの人が投資そのものは知っているものの、「投資したいが、どう始めればよいのか分からない」という段階にとどまっている方が少なくありません。

なぜそうなるのか。

主な理由は、日本が長期にわたり低金利、さらにはマイナス金利に近い環境を維持してきたことにあります。

つまり、お金を銀行に預けていても、実質的な収益はほとんど得られません。

現在、普通預金金利はおよそ0.2%、定期預金でも0.5%程度にとどまっています。

この水準では、足元のインフレや通貨安に太刀打ちするのは難しいのが現実です。

一方で、この4年間に円は30%を超えて下落しています。

これは何を意味するのでしょうか?

10年かけて得られるはずの預金利息が、わずか1年の為替下落で帳消しになってしまうということを示します。

言い換えれば、個人の資産を銀行口座に眠らせたまま、何の運用もしなければ、この4年間で資産の実質的な購買力は3割も目減りしたことになります。

この点については、赤木さんも皆さんにお話ししてきたとおりです。

日本は、輸出にも輸入にも依存する国です。

海に囲まれているため、エネルギー・食料・原材料の多くを海外から調達する一方で、自動車・半導体・機械装置などの製品を世界へ輸出しています。

言い換えれば、日本経済は為替と密接に結びついています。

為替の影響は、次の簡単な例で実感できます。

昨年9月、米ドル/円は1ドル=140円でした。

つまり140億円は1億ドルに相当します。

ところが現在は1ドル=152円で、同じ140億円をドルに換えると約9,210万ドルにしかなりません。

これは円の購買力が明らかに低下したことを意味します。

以前なら140億円で1億ドル相当の原材料を輸入できたのに、今では同じ資金で約9,210万ドル分しか調達できないということです。

輸出入関連の企業で働く方や、対外取引に携わる方にとって、この変化のインパクトはとりわけ切実です。

為替の一度の振れが、企業のコスト、収益、さらには経営戦略そのものに直結するからです。

だからこそ、「投資をしないこと自体も一つのリスク」と言えます。

通貨が下落し、金利が極めて低い局面では、資金を銀行に置いたままでは一見安全に見えても、実際には購買力が静かに目減りしていきます。

投資を学ぶことは、資産価値を守る術を学ぶことでもあります。

これこそが、本日の講義で取り上げる核心理念の一つです。



実際のところ、円建て資産は目に見えない形で価値が目減りしつつあります。

だからこそ、投資の重要性に目を向ける日本の方が年々増えているのです。

何もしなければ、為替とインフレという二重の圧力によって資産は縮小していきます。

円安による目減りを相殺できるのは、妥当で計画的な運用だけです。

ここ数年、物価上昇のスピードが加速しているのを、皆さんもはっきり実感されているはずです。

世界的なインフレ要因に加え、その背景として円安の進行が大きく影響しています。

簡単な例を挙げましょう。

ある日本企業が米国から原材料を輸入する場合、以前は140億円で成立していた取引が、今では152億円を要するようになっています。

追加で発生する12億円というコストを、企業だけで吸収することは現実的ではありません。

ではどうしますか?
企業が利益を確保するためには、製品価格の引き上げによる転嫁が避けられず、最終的にはその負担が消費者に及びます。

結果として、賃金の伸びが物価上昇に追いつかず、家計の実質購買力は低下していきます。

こうした環境下で、自分の収入をインフレに追いつかせ、資産価値を守るにはどうすべきか――これは誰にとっても避けて通れない課題です。

現在の円安の進み方と物価上昇圧力を踏まえると、資産の価値を維持するためには、少なくとも年率10%以上の投資リターンを目安にしなければ、目減り分を埋めにくい局面だと言えます。

だからこそ、私たちは投資を学ぶのです。

厳しい外部環境の中でも、資産価値を守り、着実な成長を実現するために。

ここまでの趣旨は、ご理解いただけるのではないでしょうか。

もしかすると、こう考える方もいるかもしれません。

いま円安なのだから、FRBが利下げを始めてドルが弱くなれば円は円高に戻るのではないか。

そうであれば、しばらく待てば損失は自然に挽回できるのではないかと。

一見正しく聞こえますが、現実はそれほど単純ではありません。

昨年、米国はすでに利下げ局面に入っていましたが、円は本当に顕著に円高へ戻ったでしょうか。

視野を国際政治の構図まで広げれば要点が見えてきます。

為替は経済だけでなく、政治や国際資本のフローに強く左右されます。

足元の国際情勢を踏まえると、円が今後数年で2年前の水準へ戻るのは容易ではないというのが現実的な見方です。

したがって、円高への期待だけに望みを託すべきではありません。

政治要因に加えて、より現実的な背景として各地での地政学的緊張や戦争があります。

戦争は強いリスク回避需要を生みますが、世界の投資家が“避難先”として選べる資産は限られています。

ドル、金、ビットコイン——この三つに資金が向かいやすいのはそのためです。

たとえFRBが利下げサイクルに入っても、ドル安の進行には下支えが働きやすく、円が明確に大きく上昇するハードルは高いと考えられます。
このような環境下で、私たちはどう動くべきでしょうか。

為替の構造要因を短期で変えることは難しい以上、資産配分の発想に立ち、運用によって円安による目減りを補っていくしかありません。

ではどのように投資すれば、リスクを管理しつつ年率10%超のリターンを狙えるのか。

鍵は自分自身への二つの問いです。

自分はどの程度のリスクに耐えられるのか。

売買や検討に割ける時間はどれほどあるのか。

この二点が、ご自身に適した投資スタイルとポートフォリオを決める基準になります。

どの投資市場にも、それぞれ固有の特徴と法則があります。

たとえばファンドの市場は収益が比較的安定していますが、複数のファンドを組み合わせたとしても年率の平均リターンはせいぜい10〜15%程度にとどまります。

つまり安定はしていても利回りは高くありません。

一方、株式市場はリスクとリターンが表裏一体です。

もし非常に優良な銘柄を選び抜くことができれば、年率100%や200%といった成果も十分に狙えます。

しかし逆に、銘柄選択や分析ができなければ損失は非常に大きくなり得ます。

私がブリッジウォーターで勤務していた頃、実際にこうした投資家を目の当たりにしました。

ある投資家は元本200万ドルを投じて、継続的に下落する株を保有し続けた結果、3年で資産が10万ドルまで減ってしまったのです。

その方が弊社に来訪し私と面談した際、アセットアロケーションの助言を求められました。

私はいかなる提案の前にも、まず投資家のリスク許容度を把握します。

彼は200万ドルが10万ドルになる損失を受け入れてしまった、すなわちほぼ100%に近いドローダウンを許容できるタイプだと判断できました。

そこで提示したのは、ハイリスク・ハイリターン型の配分です。

結果として、3か月以内に損失をほぼ完全に取り戻し、1年で資産を5倍にまで増やすことができました。

この成果が実現した背景には、彼自身が150万ドルを追加拠出し、残存の10万ドルと合わせて計160万ドルを運用に投入したという事実があります。

もし10万ドルのみで190万ドルの元本を取り戻すとなれば、現実的には極めて困難であり、まして1年で5倍という成果はなおさら難しかったはずです。

投資信託や株式以外にも、外国為替(FX)、暗号資産、先物、債券など、投資先は多岐にわたります。

とはいえ、どの市場であっても良い運用を行うためには、まずその市場の仕組み、リスクとリターンの関係を理解することが不可欠です。

そのうえで、自分が目指す投資リターンの目安を設計する必要があります。

たとえば年率50%のリターンを狙うなら、投資信託や債券といった比較的低リターンの市場だけでは達成は難しく、株式市場の比重を高める(株式を資産配分の中核に据える)必要があります。

同じ発想で、年率100%を目標とする場合、株式のみの取引でも到達し得ますが、難易度は非常に高くなります。

この場合は、外国為替、先物、暗号資産など、より高い収益機会のある市場への配分を加えることが検討対象になります。

さらに、年率500%やそれ以上を目指すなら、市場選択に加えて、資金調達を伴う戦略やレバレッジ取引(信用・証拠金の活用)などを組み合わせる必要があるでしょう。

要するに、目標リターンに応じて市場と手法を選び、資産配分を設計する――まとめれば考え方はシンプルです。




投資で成果を上げるには、まず期待リターンを定め、その水準に到達し得る市場を選びましょう。

併せて、その市場の仕組みや価格の動き方、想定されるリスクと回避・低減の方法を理解し、リスクを抑えつつ収益を最大化する設計が不可欠です。

次に取り組むべきは、来年に向けた長期計画づくりです。

今年は残り期間が限られているため、具体的な数値計画は一旦脇に置き、この時間を活用して私と共に世界の主要市場を体系的に学び、投資の基本ロジックと実践スキルを身につけていきましょう。

グローバル市場を俯瞰し、各市場の作動メカニズムとリスク構造を理解してこそ、来年の計画は明確な方向性を持ち、実戦性の高いものになります。

今夜の学習テーマは「トレンドの判別方法」です。

どの取引市場でも、まず最初に行うべきはトレンドを見極めることです。

ではトレンドはどのように判断すればよいのでしょうか。

最初に、トレンドラインとは何か、その定義からご紹介します。

トレンドはテクニカル分析で最も重要な概念の一つであり、トレンドはそちらの味方という言葉がよく引用されます。

これはトレンドに沿って取引すれば相場が追い風となる一方、逆行すれば、どれほど判断が正確でも成果を得にくいという意味です。

トレンドの判定は、売買の方向性を決めるうえで極めて重要です。

翌日の上げ下げを予言するものではありませんが、今後の価格の進行方向を見定める助けになります。

トレンドを見極めるための主要ツールはトレンドラインです。

トレンドラインは、市場の進行方向や重要なサポート/レジスタンスを判定するために用いられます。

トレンドの向きという観点では、トレンドは次の三種類に分類できます。

上昇トレンド:価格がより高い高値とより高い安値を更新し続け、買い方の優位を示す。

下降トレンド:価格が切り下がり、高値・安値がともに下方へ更新され、売り方の優位を示す。

水平トレンド(横ばい・レンジ/保ち合い):価格が一定のレンジで推移し、明確な方向性が見られない。

市場は様子見またはエネルギー蓄積の段階にある。

また、時間軸によってもトレンドは分けられます。

短期トレンド:通常、数日〜数週間。

中期トレンド:通常、数か月。

長期トレンド:しばしば1年、あるいは10年以上に及ぶ。

市場に存在する多くのテクニカル手法は、突き詰めればトレンドの進行方向や持続性を見定めるためのものです。

ではトレンドラインとは何か。

簡潔に言えば、価格変動の高値または安値を結んで引く一本の線です。

価格の軌跡を可視化することで、市場の方向性やリズムを直感的に把握し、相対的に合理的な買い場・売り場を見いだしやすくなります。

この一連の相場を例にとると、相場は下落基調が続いています。

この局面で買い(ロング)で利益を得ようとするなら、下げのたびにほぼボトムを正確に捉え、つまり毎回の戻り局面を取りに行き、かつ含み益が出たら素早く利食いする必要があります。

ところが、このやり方はリターンに対してリスクがどうしても大きくなります。

大きなトレンドが下向きである限り、仮に戻りがあってもその幅は限定的になりやすく、1回あたりの利幅は小さくなりがちです。

加えて、一度でも見立てを誤れば、その損失で過去の複数回の利益を帳消しにしてしまいかねません。

さらに、人間には「ここが大底かもしれない」という期待が働きやすく、戻り局面で利益が乗っていても、より大きな利益を求めて利食いを先延ばしにしてしまう傾向があります。

図中でマークした箇所を例にとりましょう。

仮に投資家がその下落の最安値で巧みに買えたとしても、価格が戻り始めると「まだ上がるかもしれない」という心理が働き、含み益が出ても利確せずに保有を続けがちです。

ところが、その後すぐにもう一段の下落に見舞われ、損失が発生します。

さらに相場は再び戻り、戻り高値が前回の買い値を上回る場面すらあります。

すると投資家は「これだけ下げた後に上昇したのだから、この先も伸びるはず。いま利益も出ているし、もう少し待とう」と考えてしまいます。

こうした“幸運への期待”を何度も重ねるうちに、結局は損失で終わってしまう——このような構図です。

だからこそ、トレンドの判定はきわめて重要です。

私がよく言うのは、「投資は順張り、トレンドが富を決める。強いトレンドを捉えれば大きく勝ち、弱いトレンドなら小さく勝ち、誤ったトレンドを追えば損をする。」

株式投資家であれば、基本は上昇トレンドにある銘柄を見つけることです。

多くの株式投資家は中長期の取引を好むため、上向きトレンドの銘柄を選び、一定期間の保有によってリターンを得るのが理にかなっています。

一方、信用取引を用いるメンバーであれば、下落トレンドの銘柄を空売りで狙うことも可能です。

しかし、私は株式市場での空売りを安易には勧めません。

株式市場には機関投資家がおり、その資金フローで株価が大きく振れ、踏み上げなど想定外のリスクに直面しやすいためです。

市場のトレンドに沿って取引することは、きわめて重要です。

たとえばこの局面は明確な上昇トレンドでした。

こうした相場では、たとえエントリーの精度が十分でなく、短期的な高値圏で買ってしまったとしても、トレンドが反転しない限り、利益確定までの期間が少し延びるだけです。

図中でマークした箇所を例にしましょう。

仮にこの局面の高値圏で買い付け、その直後に株価が下落したとしても、まずは当該企業悪材料が出ていないかを確認します。

明確な悪材料がなければ、いったんの押し目を待って買い増しを行い、平均取得単価を引き下げ、再上昇を辛抱強く待てばよいという考え方です。

長期的な上昇トレンドを維持できる銘柄であれば、個別の売上を一つひとつ確認する必要はなく、市場の資金フローがすでに答えを示しています。

株価の上げ下げの根本要因は資金の流入出にあり、もし企業の収益が乏しければ、資金が長期的に流入し続けることはありません。

こう捉えると、株式のトレンドがより理解しやすくなるはずです。

上昇トレンドは、継続的な買い資金の流入があってこそ持続的な値上がりを伴い、やがて明確なトレンドとして形づくられます。

ひとたび初動が現れると、さらに市場資金を呼び込み、トレンドは延命します。

大きな悪材料さえ出なければ、一般にトレンドは簡単には反転しません。

悪材料とは、政策面の逆風、会社発表によるネガティブサプライズ、事業環境・将来性にかかわる悪化などです。

忘れてはならないのは、株式市場が見ているのは常に「過去の業績」ではなく「将来の価値」であるという点です。

要するに、市場の核心は“期待”にあります。

未来を先んじて見通せる者が、投資で主導権を握るのです。

例えば、直近2日間、日経平均は目立つ下落となり、「この先も大きく下がるのでは」と心配する声も少なくありません。

ですが、全体の流れを俯瞰すれば、上昇トレンド自体は崩れていません。

昨夜も述べたとおり、今回の下落は短期的な政治的不確実性に加え、直前までの上昇が過熱気味だったことによる健全な戻りと捉えるのが自然です。

こうした局面で私たちが取るべきは、ポジションを抑えつつ、腰を据えて見守ること。

現状はトレンド転換というより段階的な調整に近い状態です。

したがって、上昇トレンドの範囲内に価格がとどまっている限り、中長期の基調は引き続き健全と判断できます。

ボラティリティの中でこそトレンドを見極める——これが成熟した投資家に必要な思考です。
現時点の市場動向を見ると、日本株の一部セクターは依然として弱めの基調が続いています。

たとえば、サービス業、空運業、パルプ・紙といった分野は、総じて下向きのトレンドにあります。

だからといって各セクターの全銘柄が下落するわけではなく、個別には際立って強い動きを示す企業もあります。

一方で、相対的に強さが目立つ分野としては、人工知能(AI)関連、ロボット関連、半導体関連が挙げられます。

これらは依然として高い成長期待が意識されていますが、AI関連については“高値追い”は避け、価格が適切に押し戻された局面を待ってからの検討をおすすめします。

総じて、足元で上昇トレンドが確認しやすいセクターは、情報・通信業、電気機器、非鉄金属、機械の各分野です。

あわせて、医薬品および卸売業も比較的堅調で、中期的な投資価値がうかがえます。

株式で運用中の皆さんは、上記分野の中から質の高い個別銘柄に注目し、トレンド判定とテクニカル分析を組み合わせて、上昇サイクルにある銘柄への仕込みを検討してみてください。

相場はトレンドに乗るのが基本です。

トレンドに沿うことで、より楽に、より堅実に収益機会を取りにいくことができます。
では本日の講義はここまでにいたします。

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本日は以上です。

明日もトレンドに関する内容を続けてまいります。