2023年3月27日の日本株式市場は、週初めの調整局面から小幅に反発しました。

米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測がやや後退し、米国経済への懸念が一時的に和らいだことを受け、投資家は構造的な仕込みを進めました。

不動産、輸出、防衛関連銘柄が上昇を主導し、中期的な成長シナリオを持つ分野への資金流入が回復しつつあることが示されました。

大引け時点で、日経平均は前日比0.33%高の27,476.87円、TOPIXはは0.33%高の1,961.66円と、今週初の明確な上昇となりました。

約7割の銘柄が上昇、不動産株が市場全体をけん引

東証プライム市場に上場する1,600以上の銘柄のうち、79%が上昇し、下落はわずか18%、横ばいは3%にとどまり、市場全体に前向きなムードが広がりました。

業種別では、東証33業種のうちサービス業を除く全てが上昇し、不動産株は2.8%高と最も強気なパフォーマンスを見せています。

その中でも、大手不動産会社として知られる三井不動産は、予想を上回る好決算を発表したことで5.9%急伸しました。

同社の2022年度第4四半期の純利益は前年同期比でほぼ倍増し。

この好業績により、商業用不動産市場への信頼感が回復し、業種全体を押し上げました。

サービス業に圧力、主力株が重しとなって短期的な反落に

一方、サービス業はリクルートホールディングスの暴落による影響を受けて0.9%安と唯一下落した業種となりました。

同社の株価は、2023年度の業績見通しが市場予想を下回ったことにより、1日で4.4%下落し、TOPIXの下げを誘発する最大の重しとなりました。

ドル安・円高、輸出株は一時軟調も持ち直し

FRB高官が利上げに慎重な姿勢を示したことにより、米国債利回りが高値から下落。

ドル指数はやや弱含みで推移し、安全資産として円が買われました。

ドル円は一時1ドル=147円台まで下落し、輸出企業の為替採算に影響を与えました。

その中でも、半導体や電子部品関連銘柄は、取引開始直後から売り圧力にさらされ、一部のテクノロジー株が下げ幅を拡大しました。

それに加え、バイデン米大統領が先端半導体の対中輸出制限を検討しているとの報道も米中摩擦再燃への警戒感を高め、短期的なボラティリティを激化させました。

ファンダメンタルズが市場を下支え、不動産・重工業に資金流入

外部リスクは残るものの、国内企業の堅調な業績が市場の支えとなっています。

三井不動産に加え、複数の不動産・建設関連企業が予想を上回る決算を発表したことで、不動産株の価値に対する投資家の再評価に繋がりました。

市場展望:テクニカルな調整が続く中、内需・製造業に焦点

赤木隆雄氏は「現在の市場は、開いた窓を埋めるテクニカルな調整局面にあり、短期的な値動きはマクロ経済指標や政策見通しに左右されやすいが、構造的な投資機会が徐々に見えてきている。特に、安定した収益力を持つ内需関連やディフェンシブ銘柄に注目すべきである」と述べています。

また、赤木氏は「3月にFRBが25ベーシスポイントの小幅利上げを行う可能性はあるものの、市場はもはや急激な金融引き締めを維持するとは予想しておらず、世界的なリスク選好は回復傾向にある。これも日本株を段階的に下支えしている」と指摘しました。

インフレの高止まり、各国の金融政策の相違、日本の労働市場における緩慢な回復などを背景に、相場の変動は避けられないものとなっています。

しかし、日本の株式市場は徐々に回復力を発揮しており、優良企業の堅調な業績、不動産需要の回復、輸出事業の底堅さが現在の反発局面における土台となっています。

短期的には決算動向と為替の推移が焦点となり、中期的には世界経済のハードランディングリスクと政策転換のタイミングおよび方向性が注目されるでしょう。