中国がデジタル人民元の実証実験を加速し、欧州がデジタルユーロを推進、日本がデジタル円の導入を計画する中、中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、世界の金融システムにおける重要な発展方向となっています。

Zentara Exchangeのチーフ・インベストメント・オフィサーである水野修矢氏は「CBDCは単なる技術プロジェクトではなく、国家主権、金融規制、そして決済システムの再構築に関わる重大な事柄です。」と述べています。

一、CBDCの3つの核心的価値

水野氏は、CBDCの意義を以下の3つにまとめています。

⑴金融包摂性の向上

遠隔地や従来の金融サービスが行き届かなかった人々でも手軽にデジタル通貨を利用できるようにする。

⑵マネーロンダリング対策と税務透明性の向上

CBDCの取引は記録・追跡が可能なので、規制の一助となる。

⑶世界の決済システムにおける競争力の向上

米ドルシステムへの依存を減らし、自国通貨の主権を強化する。

二、CBDCとステーブルコインの本質的な違いとは?

水野氏によると「CBDCとステーブルコインは一見似ているように見えるが、その本質は全く異なる」とのことです。

種類|発行主体|信頼の基盤

CBDC|各国の中央銀行|法定通貨としての地位を有する(法定支払手段)

ステーブルコイン |民間企業|預かり資産及び市場の信頼に依存

「今後、コンプライアンスに準拠したステーブルコインは存続を許されるが、違法なステーブルコインや仮想通貨ミキサーなどは、中央銀行によって厳しく排除・規制される可能性が高い」と水野氏は見ています。

三、デジタル円の導入はどのように推進されるのか?

金融庁と日銀の政策動向を踏まえた上で、水野氏はデジタル円の発展を次のように整理しています。

1.卸売型CBDC(B2B決済や銀行間の送金)の導入を優先的に検討

2.一般利用型CBDC(個人の日常決済)の導入を検討

3.既存の銀行システムを置き換えるのではなく、銀行を仲介として接続を実現する。

4.ZentaraもCBDCでの入金に対応したシステムを開発し、オフチェーン資金とオンチェーン資産の相互運用を実現する予定。

「CBDCの真の価値は、それが『デジタル通貨』であることではなく、金融システム全体の透明化、コンプライアンス化、そして国際化を促進できる点にある」——水野修矢