2021年8月、数日間の調整が続いた米国株式市場はついに反発しました。
主要3指数は揃って上昇し、ナスダック総合は3日ぶりに上昇、S&P500は4日連続の下落に終止符を打ち、ダウ平均は585ドル高の34,792ドルで引け、6日連続の下落を免れました。
赤木隆雄氏は「この反発の主因は、FRBが量的緩和縮小(Taper)を延期するのではないかという市場予想の強まりにある」と分析しています。
前回発表された7月の非農業部門雇用者数は予想外に減少し、雇用回復の鈍化が明らかになりました。
これにより、市場では景気減速懸念が広がり、短期的な金融引き締めの必要性は低下しました。
それと同時に、ホワイトハウスがよりハト派的なFRB議長を指名するとの観測も、市場心理を一段と押し上げ、資金は再びリスク資産に流入しました。
これにより、テクノロジー株と景気循環株が揃って上昇し、株式市場全体の反発をけん引しました。
ISM非製造業景況感指数に短期的な注目が集まる
今週は経済指標の発表が少ないものの、市場はまもなく発表されるISM非製造業景況感指数に注目しています。
この指標は、サービス業の景況感を測る重要なデータとみなされており、特に製造業の勢いが弱まる中、その結果は景気回復ペースの判断に直結します。
市場では、この指数が前月の64.1を上回ると予想されており、サービス業の堅調な拡大が続くと見込まれています。
しかし、もし予想外に弱い結果となれば、景気減速懸念が再燃し、テーパリング先送りへの期待が高まる可能性があります。
企業決算と政策動向が交錯
現在、投資家の関心は景気循環型の優良企業に集まっています。
キャタピラーなどといった経済動向に左右されやすい企業の決算が底堅さを示せば、資金は工業株や金融株などのセクターに引き寄せられ、新たなセクターローテーションを促す可能性があります。
しかし、ワシントンの政策動向は依然として不確定要素です。
バイデン政権は任期満了を迎えるFRB理事の後任として、穏健派経済学者の起用を検討していると報じられており、数週間以内に正式な指名が行われる可能性があります。
もし新任がハト派であれば、市場の利上げ観測と量的緩和縮小の時期に対する予測をさらに後退させるでしょう。
慎重かつ楽観な姿勢とタイミング管理
全体として、マクロ経済データや政策シグナルのハト派的傾向が市場の回復を支えているものの、世界的なコロナの流行がもたらす不透明感や依然として高止まりしているインフレ率を背景に、投資家は警戒感を維持する必要があります。
FRBがジャクソンホール会議後により明確な政策方針を示すかどうかが、今後の相場を左右する重要な分岐点となります。
短期的には、やや強含みのレンジ相場を維持する可能性が高いですが、高バリュエーション銘柄は変動リスクに直面する恐れがあります。
したがって、投資家は構造的な投資機会を重視しつつ、ポジションを適切に管理し、経済指標や政策動向による相場変動に慎重に対応すべきです。